アスベストは、その解体作業等における危険性の度合いを基準に「レベル1」「レベル2」「レベル3」の3段階に分けられています。 これらのうち、もっとも危険性が高いとされているものが「レベル1」。「発じん性が著しく高い」と説明され、解体作業においては、もっとも高い費用がかかるレベルにもなります。「レベル2」「レベル3」と数値が高くなるにつれ危険性は低くなっていきますが、「レベル3」でも解体時には注意が必要なことはいうまでもありません。
なお「レベル3」のアスベストは、かつて一般家庭の建材としても広く用いられていました。古くなった住宅のリフォームやリノベーションを依頼した際、解体中にアスベストが発見されため予定外の撤去費用がかかったという例は、令和の現在でも多く見られます。「発じん性」とは、解体作業等におけるアスベストの「発生率」「飛散性」などと解釈しておいて問題ありません。
解体作業等において、もっとも危険性が高いとされるものが「レベル1」です。かつてテレビのニュースなどで目にしたことのある「綿のようにモコモコした外観」のアスベストが、この「レベル1」に該当します。 発じん性が非常に高く、不用意に解体作業を始めるとアスベスト繊維が大量に飛び散るため非常に危険。建物を解体する場合には、アスベストを丁寧に撤去したのち解体作業へと入ります。
「レベル1」のアスベストを使用している主な箇所は、耐火建築物の梁や柱、エレベーター周り、立体駐車場の天井や壁など。該当する建物を解体または補修する場合には、労働基準監督署や都道府県庁へ所定の届出を行わなければなりません。 作業員においても、保護衣や粉塵マスクなどの厳重ばく露対策が必要となります。
「レベル1」に次いで危険性が高いとされるものが「レベル2」。「レベル1」に比べ、作業中の飛散リスクは低くなるものの、密度が低く軽量なアスベストが多く使われているため、部分的な崩落等によるアスベストが大量に飛散する恐れもあります。 「レベル2」のアスベストを使用している主な箇所は、耐火建築物の梁や柱、ボイラー本体や配管、空調ダクトの保温部分、屋根用折板裏断熱材など。「レベル1」よりも危険性が下がるとは言え、該当する建物の解体作業等を行う場合には、「レベル1」と同様の届出が必要となっています。
作業員においては一定の保護具を装着する必要がありますが、「レベル1」に比べると、やや簡素なものとなっています。
「レベル1」にも「レベル2」にも該当しないものが「レベル3」。3つのレベルの中で最も危険性が低いとされていますが、アスベストそのものの危険性が低いという意味ではなく、板状などの硬く形成された建材に使用されているため飛散しにくい、という意味で危険性が低いと判断されています。 「レベル3」のアスベストを使用している主な箇所は、建物の屋根や外壁、天井、壁、床など。建材の日常使用でアスベストが飛散することはありません。ただし解体作業などで建材に力が加わる場合には、アスベストが飛散しないとも限らないため、相応の注意が必要となります。
解体作業等にあたっては、「レベル1」や「レベル2」のような対策は不要となるものの、簡易的なばく露対策は必要です。
アスベストの危険性のレベルと各レベルの概要をご紹介しました。 一般に生活している分には、私たちはアスベストの危険にさらされることはほとんどありません。また、アスベストの危険にさらされる可能性がある解体業者や建築業者等においても、作業では厳重な対策がとられているため、大きな危険性はないと考えて良いでしょう。
ただし問題は、これら厳重な対策がとられていなかった時代にアスベストの施工・解体などを行っていた方々。もし何らかの病気を患っている場合、その原因は過去のアスベスト吸引に合った可能性は否定できません。心当たりのある方は、アスベスト労災に詳しい法律家などに相談してみると良いでしょう。
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