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アスベストの健康被害のことがよくわかるサイト【アスサクラ】 » アスベストの給付金・賠償金手続を弁護士に頼んだとしたら?
更新日:2022/09/16

アスベストの給付金・賠償金手続を弁護士に頼んだとしたら?

ざっくり言うと
  • 弁護士への相談・着手金は無料のところが多いので、まず相談してみるのがおすすめです
  • 何から始めたらいいのかわからないときは、とりあえず相談をしてみてください
目次

アスベストの給付金・賠償金手続は非常に複雑なので、弁護士に依頼するのがおすすめです。

ここでは、アスベストの給付金・賠償金手続を弁護士に依頼するメリット、弁護士の選び方、費用相場などをご紹介します。

アスベストの給付金・賠償金について

アスベストによる健康被害を受けた方は、一定の条件を満たした場合、国から損害賠償や給付金を受け取ることができます。

いわゆる「工場型アスベスト健康被害」については、国に対して訴訟を提起すれば、和解という形で国から損害賠償金を受け取ることができます。また「建設型アスベスト健康被害」については、最高裁判決に対応する形で、令和3年6月9日に被災者へ給付金を支給するための法律が成立しています。

工場型アスベスト健康被害について

アスベストが含まれる製品を製造する工場で働いていた方、またはその遺族の方は、国に対して訴訟を提起することで損害賠償金を受け取れる可能性があります。

国からの損害賠償金の対象となる要件は次の3種類です。

  1. 昭和33年5月26日から昭和46年4月28日までの間に、アスベストを取り扱う工場などで働いていた方。
  2. 「1」に該当する方で、中皮腫や肺がん、石綿肺、びまん性胸膜肥厚など、アスベストに起因する健康被害があった方。
  3. 提訴の時期が損害賠償請求権の期間内であること。

「アスベストが含まれる製品を製造する工場」だけではなく、アスベストを取り扱う工場で働いていた方も損害賠償金を受け取れる可能性もあります。たとえば、電気機械の製造工場、スレートや煙突などの製造工場、セメントやコンクリートブロック等の製造工場、自動車整備会社、化学繊維製造機械の製造工場、アルミ等の製造工場、石綿袋の再生工場、送風機製造工場、湯沸し器製造工場などです。

また、アスベスト工場等に出入りしていた作業者なども損害賠償金の対象になる可能性があります。

建設型アスベスト健康被害について

建設型アスベスト訴訟の最高裁判決を受ける形で、令和3年6月9日、国は未提訴の健康被害者に対して給付金を支給するための法案を成立させました。これにより、次に挙げる3つの要件を満たした方について、国から給付金が支給されることとなりました。

  1. 昭和47年10月1日から昭和50年9月30日までの間に、アスベストの吹き付け作業に係る業務を行っていた方、または昭和50年10月1日から平成16年9月30日までの間に、一定の屋内作業場で行われた作業に係る建設業務(屋内吹付作業も含む)を行っていた方。一人親方や中小事業主(家族従事者も含む)も対象。
  2. 「1」に該当する方で、中皮腫や肺がん、石綿肺、びまん性胸膜肥厚などの石綿関連疾病を発症した方。
  3. 石綿関連疾病と医師から診断された日、または石綿肺に係るじん肺管理区分の決定日(石綿関連疾病により死亡したときは死亡日)から20年以内の請求であること。

給付金の金額は、石綿肺の場合が症状に応じて550万~1150万円、中皮腫・肺がん・著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚の場合が1150万円、それら石綿関連疾病で死亡した場合には疾病・症状に応じて1,200万~1,300万円となります。

本人が建設型アスベスト健康被害で亡くなっていり場合には、遺族から給付金を請求できます。

給付金の請求受付について

給付金の請求は、請求を行う方が厚生労働省へ給付金請求を行う形で始まります。 請求を受けた厚生労働省では、受付と審査ののち、認定審査会に対して審査を要求。要求を受けた認定審査会は内容を審査し、審査結果を厚生労働省へ通知します。

その後、厚生労働省から給付金請求をした方に対し認定結果を通知。給付金が認定された場合には、独立行政法人労働者健康安全機構から請求者へ給付金が支給されます。 給付金の請求に必要な書類は、請求書、給付金の振り込みを希望する金融講座の通帳・キャッシュカードの映しなど。請求者が被災者の遺族である場合には、死亡届の記載事項証明書を用意する必要があります。

そのほかにも、状況に応じて必要となる書類が複数あるので、給付金を請求する際には、厚生労働省が公開している以下の説明を参照してください。

労災保険の支給決定等を受けた後ならば、通常よりも迅速に給付金の認定審査を行えることがあります。そのため給付金の請求をお考えの方は、先に労災保険給付の請求を検討してみると良いでしょう。 なお、上記の参照資料は「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」(令和3年法律第74号)の内容をまとめたものとなります。

弁護士に相談するメリットとは

アスベストの給付金・賠償金手続を弁護士に依頼することで、さまざまなメリットが得られます。

難しい手続きを代行してくれる

アスベストの給付金・賠償金を請求するためは、多くの手続きを行わなくてはなりません。

とくに国に賠償金を請求する際の「国会賠償請求訴訟」の手続きは非常に専門的かつ難しいものです。

また、訴訟が始まれば、期日に出廷する必要もあります。

訴訟の提起や証拠の提出、和解の手続き、訴状や準備書面の作成など、法律の専門家である弁護士に任せれば、手間や時間を大幅に削減ですることができるでしょう。

情報収集をサポートしてくれる

賠償金(和解金)を受け取るためには、日本年金機構発行の「被保険者記録照会回答票」や都道府県労働局長発行の「じん肺管理区分決定通知書」、労働基準監督署長発行の「労災保険給付支給決定通知書」など、和解要件を満たすことを証明する資料を集めなくてはなりません。

中には、各種官公庁などに問い合わせ、所定の様式で申請や請求を行わなければならない書類もあり、知識がないと、資料収集に多大な時間や労力がかかります。

弁護士に相談することで、どんな証拠が必要なのか、収集方法などについても適切なアドバイスを受けることが可能です。

精神的なサポートを受けられる

アスベスト関連疾病を発症して肉体的にも精神的にも苦しい中で、アスベストの給付金・賠償金手続を行うことは大きな負担となるでしょう。弁護士に依頼することで、手続の負担から解放されるだけでなく、周囲に吐露しづらい思いなども言葉にしてもらうことができ、精神的に楽になるかもしれません。

また、弁護士に依頼すると、給付金・賠償金を得るまでの道筋を具体的に提示してくれます。

先の見通しが付くことで、精神的な安定に繋がる面があるのではないでしょうか。

弁護士の選び方

アスベストの知識・ノウハウがあるか

アスベストの給付金・賠償金手続を依頼する弁護士選びで注意したいのは、アスベストについて知識やノウハウを持った人を選ぶこと。

一口に弁護士と言っても、これまでに経験してきた事件の種類や得意分野は異なります。

その上、アスベストの給付金・賠償金手続は専門性が高い分野であり、取り扱っている弁護士も限られているので注意しましょう。

労働問題に精通しているか

また、アスベスト被害については、精神的苦痛についての賠償のみならず、療養費などについての労災補償を受けられる可能性があります。

このため、賠償金の請求のみならず、労災の補償の申請についても併せてサポートしてもらえる弁護士を探すといいでしょう。

労災補償の申請は、労働基準監督署で手続きを行う必要があり、裁判所での手続きとは異なるため、経験のある弁護士を選ぶことをおすすめします。

話しやすいか

アスベストの給付金・賠償金手続を行う際には、いつどこでどのような業務を行っていたのか、現在どのような症状があるか、などを明らかにしなくてはなりません。

このため、弁護士と何度も面談を行い、コミュニケーションを取る必要があるでしょう。

話しにくい弁護士に依頼してしまうと、やり取りをすること自体がストレスになり、手続きがスムーズに行われない可能性があります。

多くの弁護士は無料相談を行っていますので、利用してみて話やすい人を選ぶようにしましょう。

ちなみに、FAST法律事務所さんでは、「弁護士はただでさえハードルが高いので、堅苦しくなく話せるような雰囲気を重視しています。

かかりつけ医に行くくらいの気持ちで、相談してください」とのことでした。

弁護士に相談してからの流れ

アスベスト(石綿)訴訟については、無料で法律相談を受けている法律事務所が多く、制度の詳細や、受給対象か否かなどについて、金銭的な負担を気にすることなく弁護士に相談をすることができます。

弁護士に相談をしてから、実際に給付金・賠償金を受け取るまでの流れは、おおよそ以下のとおりです。

①初回相談

弁護士が依頼者の抱える事情を丁寧にヒアリングします。その上で、賠償金を得られる見込みがどの程度あるのか、そのためには何をすべきかなど、事件解決への大体の見通しを示してくれます。

依頼者が正式に依頼を行うと、アスベスト訴訟の提起に向けた準備を開始することになります。

②書類準備

給付金や賠償金の請求に必要な証拠の収集、書面の作成などを行います。

弁護士が収集できる証拠もありますが、依頼者自身の協力が必要なものもあります

いずれも、弁護士から随時アドバイスを受けることができるので安心です。

③訴訟提起・口頭弁論

賠償金の請求をする際は、まず国に対して訴訟を起こす必要があります。訴訟準備を整えて、実際に裁判所に対して訴状を提出し、アスベスト訴訟を提起します。

裁判手続は弁護士が対応するので、原則本人や遺族の方が手続をすることはありません。

④和解の成立・賠償金の受け取り

原告がアスベスト訴訟における和解要件の立証に成功すると、病状に応じた和解が成立し、賠償金の金額が決まります。

 

だいたいの費用相場と
当サイト取材協力のFAST法律事務所の場合

アスベスト(石綿)の給付金・賠償金手続を弁護士に依頼する場合、やはり気になるのはその費用でしょう。

弁護士への依頼費用は、一般的に「相談料」「着手金」「実費」「事務手数料」「報酬」がかかります。このうち、相談料と着手金は、多くの事務所が無料としています。実費は、健康診断や検査にかかる費用、医師による診断書作成にかかる費用、訴訟提起に必要となる収入印紙代などのことで、これらは、依頼者の自己負担となります。

FAST法律事務所の費用

・相談料:何度でも無料
・着手金:無料
・報酬:建設労働者型の損害賠償請求(給付金申請の場合)は支払われた金額の5.5%
・報酬:建設労働者型の損害賠償請求(訴訟提起)は支払われた金額の5.5%
・報酬:工場労働者型の損害賠償請求(訴訟提起)は損害賠償金+遅延損害金の16.5%
・報酬:石綿救済法に基づく申請・異議申立て/労働者災害補償保険(労災保険)申請は給付総額の11%

ちなみに、編集部が大手弁護士事務所三社を調べたところ、費用は以下の通りでした。

A社

・相談料:何度でも無料
・着手金:無料
・報酬:建設労働者型の損害賠償請求(給付金申請の場合)は支払われた金額の5.5%
・報酬:建設労働者型の損害賠償請求(訴訟提起)は支払われた金額の5.5%
・報酬:工場労働者型の損害賠償請求(訴訟提起)は損害賠償金+遅延損害金の16.5%
・報酬:石綿救済法に基づく申請・異議申立て/労働者災害補償保険(労災保険)申請は給付総額の11%

B社

・相談料:無料
・着手金:無料
・事務手数料:1万1000円
・報酬:建設アスベスト給付金申請(労災認定を受けている方)は支給額の5.5%
・報酬:建設アスベスト給付金申請(労災認定を受けていない方)は支給額の11%
・報酬:国に対する賠償請求訴訟(工場型・建設型)は受給額の16.5%
・報酬:勤務先企業に対する請求(交渉の場合)は受給額の16.5%
・報酬:勤務先企業に対する請求(訴訟の場合)は受領額の22%+11万円

C社

・相談料・調査費用:無料
・着手金:無料
・報酬:労災・救済法申請手続きでも建設アスベスト給付金申請でも、支給額の11%
・報酬:国家賠償請求訴訟(工場型)は受け取り総額の16.5%
・報酬:国家賠償請求訴訟(建設型)は受け取り総額の16.5%
・報酬:建材メーカーに対する損害賠償請求訴訟は受け取り総額の22%
・報酬: 雇用先企業に対する請求(交渉)は受け取り総額の16.5%
・報酬: 雇用先企業に対する請求(訴訟)は受け取り総額の22%(※この場合、着手金も33万円かかります)

注意したいのは、事務手数料と報酬です。給付金や賠償金(和解金)の中から10~20%程度としている事務所が多いようですが、事務所によって、あるいは訴訟をする相手によっても設定が異なるので、依頼する前によく確認をしましょう。

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当サイトの記事確認など、取材に協力していただいたのはFAST法律事務所。

「法律事務所を利用したことが無いので不安」という方でも、安心できるように、「町のお医者さん」のように相談頂ける環境を目指している法律事務所です。

若いスタッフさんも多いので、法律事務所特有の堅苦しさがないのも特徴!

「何を相談すればよいのかわかりません」という人がいたらどうしましょうとお伺いしたところ、「ご安心ください!事務所スタッフがお客様の情報をヒアリングし、状況にあわせたご案内をさせていただくので、ご気軽にどうぞ!」と言ってくれました。

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