運送業界で働いていた人で、アスベストにさらされたことが原因で病気になった場合は、働いていた会社へ賠償請求できる可能性があります。 ただし、個別事情によって判断が異なるため、専門家に相談するといいでしょう。
アスベストの運搬作業。アスベストが入った麻袋をトラックの荷台に積み、石綿製品製造工場へ運搬して荷下ろしをするという作業では、袋から漏れたアスベストを吸い込んだり、衣服や身体に付着したりしている可能性が高い作業です。
車両の整備。昭和50年代頃まで、断熱材として吹付けアスベストが使用されている車両があり、こうした車両の解体・修理・整備・点検等の作業の際にアスベストにばく露している可能性があります。
天井に力が加わる作業。自動車交通分野で指摘されているのは、営業所や車庫の天井に吹付けアスベストが使用されている場合です。このような場所で車を整備する際に、天井に風圧などの力が加わることでアスベストが飛散する可能性があります。自動車においては、ブレーキライニング、ブレーキパッド、クラッチフェーシング、断熱材等に石綿材部品が使われていたことがあります。平成8年10月以降の国内向け生産自動車は非石綿材部品への切り替えを完了済です。現在使用されている石綿材部品はかなり少なくなっていますが、ゼロとは言い切れません。
船の配管交換作業。船舶の石綿使用は平成14年7月以降に原則禁止されました。ただし、現存船において、係船機等のブレーキライニング、配管パッキン等にアスベストを含んでいるものがあるため、配管の交換作業などのきっかけでアスベストにさらされる可能性があります。
運送業においては、アスベストそのものの運搬に関わる作業、アスベストを含有する部材を使用した乗り物の整備作業が主なアスベストリスクと言えそうです。
1980年代後半頃から90年代前半頃まで、運送会社でトラック運転業務に従事していた方の事例です。当時、製造品の原料となるアスベストを港湾の倉庫から納品先の工場まで運搬する作業をしていました。原料アスベストが入っていたのは、ビニール製の袋。基本的には密閉されているはずの袋でしたが、荷積み・荷卸しの際に袋からアスベストがこぼれ出て、アスベストにばく露しました。その後アスベストとは関係のない仕事に従事していたものの、20年程度の時間を経て胸膜中皮腫を発症。死亡に至っています。
同じく原料アスベスト運搬作業における健康被害の例です。若いころ、アスベストが入った麻袋を港の倉庫でトラックへ乗せ、石綿製品を製造している工場まで運送し、到着した先で荷下ろし作業をしていました。袋を積み込むときと下すときには、手鉤を利用して荷物を動かす作業方法です。手鉤によってできた穴からアスベストが漏れ、吸い込んでしまうだけでなく、衣服も体もアスベストまみれになっていました。アスベストのリスクに対して認識がなく、防じんマスクなどの防護具を使用していなかったため、直接アスベストを浴びる形です。70歳代になってから、医療機関で胸膜中皮腫と診断を受け、死亡に至りました。
運送会社のトラック運転手が石綿スレート製品を運搬してアスベストにばく露した事例です。原料アスベストではなく、アスベストを使用した製品の運搬に携わっていても健康被害が報告されています。30年間、石綿スレート製品を製造する工場内に出入りして、その製品を運搬する仕事に従事していました。80歳で肺がんにより死亡。業務によるアスベストばく露が認定されました。この工場では、運転手以外にも作業員のアスベスト健康被害が報告されています。
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アスベストに関わる疾患を調べていて感じたのは、診断を受けていない人はまず病院へいくことが大切だということです。アスベスト由来かどうか今の病院では診断してもらえない、という場合は近隣の労災病院のアスベスト疾患センター等の専門医療機関に行ってみてください。
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